炎上ウォッチ　AVの影響？　医療現場のセクハラから爆笑エピソードまで

今回の炎上ウォッチは医療現場でのセクハラについてのSNS投稿からです。
発端と思われる投稿は、看護師を名乗る方のもので「『看護師ってやっぱり夜中の患者とセックスしたりするの？』と言われた」というものでした。（すでに削除されています）
その投稿はものすごく拡散され、性風俗やAVなどの商業ポルノに影響されて、看護師は性的なサービスも行うこともあると勘違いした患者からのセクハラ事例について、主に看護師と思われるアカウントから告発のコメントが相次いでいました。

今回に限らず、医療や介護の現場で患者からセクハラを受ける事例の告発をSNSで見かけることはよくあります。以前に比べて毅然とした対応をする職場が増えているという投稿も多くみかけますが、悔しい思いをしている医療従事者も多いのだと思います。

看護師が射精介助をすると信じる男性もいる

私自身は、産婦人科女性医師であるためか、医師になって25年、患者さんからのセクハラというものは幸い経験したことがありませんが、かなり昔に知人男性に言われたことを投稿したところ、これまた大反響。

その男性によると、AVでナース服を来た女優さんが「吐精しますね」と言って非常に淡々と射精介助をしているのを見て、「入院するとそういうサービスを医療として受けられるのか！」と驚いたそうです。

その話がマジでキモかったので（もちろんその場で事実ではないことを伝えましたが）、大勢の人が「キモさ」に共感してくれ、成仏させられてよかったです。このエピソードを嘘だと思う人も一定数いるようで、さすがにそこまでAV脳な人がいるとは信じがたいから「男叩き」をするために作った嘘だと言って「女叩き」をする人が出てくるのも無理はないのですが、試しにググってみたところ、Yahoo!知恵袋に似たような質問があり、実際に信じていると思われるコメントが複数ついていました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12241872152
 
15年以上前にやっていたmixiの医療系コミュニティでも時々そのような質問をする人がいて、そのようなサービスが事実だと思われていることに怒りを爆発させた医療従事者によって燃やされるということがありました。

そこまででなくとも、商業ポルノなどの影響によりユニフォームや職業自体が性的な印象を持たれていると感じたことのある医療従事者はSNSでも多く見られ、患者の体に触れる仕事であるためにその嫌悪感は大きいだろうと思います。
ちなみに、病院でセクハラをした場合、カルテに書かれて全医療従事者に申し送られ、家族にも伝えられかねないことはもっと知られるべきだと思います。

相次ぐAV発の行為の告発

男性も女性も大半は病院でセクハラなどしないので、「考えすぎじゃない？」と思う人も多いかもしれませんし、AVのファンタジーを現実と混同して誰かに迷惑をかけなければ、オカズとして使うのは自由だと思います。
しかし、付随した投稿には、セックスパートナーがAVを鵜呑みにして困るという体験談が多数寄せられていました。

私は2010年に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」（ブックマン社刊）という本を書きました。その頃も「パートナーがAVで見たテクニックを自分に試してくるが、ちっとも気持ちよくないので困る」「AVの女優さんと同じような反応をしないと『おまえはおかしい』と言ってくる」というような女性の声を沢山いただいていたのですが、今もあまり変わっていないようです。

今回、このような投稿がありました。
「ある時から夫が下腹部をぐりぐり押すようになって、トイレ行きたくなるし正直不快でしかなかったんだけど、AVで下腹部を押すと子宮がマッサージされて気持ちよくなるという描写あることを知って、夫とのセックスがほんとにムリになった。」
行為中に下腹部をグリグリ……ここ数年でよく聞くようになった行為です。
その方が奥の方が圧迫されていいと感じる女性もいるそうですが、投稿者のように相手が不快に感じているにもかかわらず続けているというのはマイナスですよね。
もちろん、された方が不快に感じていることを伝えられればいいですが、そうすると不機嫌になる相手も一定数いるため、「ダメ出し」はできないという声も多いです。

いずれにしても、セックスは言語、非言語で相手の反応を確認し合いながらでないといいものにはならないので、「下腹部をグリグリすると女性は感じるらしい」という情報を得たとしても、相手からのフィードバックが好ましくなければシフトチェンジしていく方がいいのではと思います。

他にも、このような投稿に反響を呼んでいました。
「お尻をペチペチ叩いてくる男達、あれ喜ぶ女はほぼいない。」
この投稿に、「私もパートナーにペチペチされた。あれはなんなの」という声が多数ありました。お互いの性的嗜好が一致し、プレイとして「お尻をペチペチ」を愉しんでいる人はいいのですが、相手に「なんなの」と思われている時点で、独りよがりな行為になってしまいます。

AVよりも悪いのは相手の意向と体の声を無視したまま続けること

爆笑したのはこちらの投稿です。

「この手の話ならやっぱり私は「イケ！（指ﾊﾟﾁﾝｯ）」が一番笑ったなぁ。行為中だったけど、耐えられなかった。笑わないの無理だろ。」

指パチンで「イケ！」って、言われてオルガズムに達する人はそうそういないのではと思います。そういうAVがあるのか、その男性がAVに影響されているのかは全然分かりませんが……。奇抜な行動をしてそれが相手にハマればいいですが、打率は低めではないでしょうか。相手の性的嗜好をよく知って、ハマると見込んでからすべきと思います。いやー、まあ多分なかなかいないですよね、これを喜ぶ女性は。どこ発なのか気になります。

目についた投稿をいくつかピックアップしてみましたが、自分も相手も愉しむ限りにおいては行為は自由です。なので、AVは、最大公約数的な女性がよろこぶ行為からかけ離れたものを流行らせてしまうことがあるという点においては弊害ですが、その行為を相手が嫌がることを予想できずに試してしまうことや、2人でそれを続けてしまうことの方が問題なのではと思います。嫌だなと思っている行為があったら、ぜひそれを相手に伝えていきましょう。医療現場での一方的なセクハラとは異なり、2人でより良いセックスを確立していける可能性はあります。（伝えたけどうまくいかないという事例も多数聞いており、なかなか人によっては難しい場合も多いようです……）

お互いに言語非言語でフィードバックし合いながら楽しんでいけるように、セクシャルプレジャーについても発信していきたいと思います。

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