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「120日間生理を止められる」は本当!?先発品との違いや副作用・正しい飲み方を徹底解説【前編】

ドロエチフレックスの写真

2026年8月17日、月経困難症・子宮内膜症の治療薬「ヤーズフレックスⓇ配合錠」のオーソライズド・ジェネリック(AG)となる「ドロエチフレックスⓇ配合錠」が発売されました。

有効成分や効果は先発品とまったく同じで、違うのは主に薬の価格です。後発品というのは、製薬企業の特許が切れたタイミングで、そのレシピをもとに同じ成分を使って作られたお薬のこと。

本記事では、ドロエチフレックスの特徴や、ヤーズフレックス・従来の「ドロエチ(28日周期タイプ)」との違い、正しい飲み方や気になる副作用について詳しく解説します。

ドロエチフレックスのパッケージ写真
出典:久光製薬様公式ページよりお借りしました

ドロエチフレックスはどんなお薬?(効果・効能)

ドロエチフレックス配合錠は、黄体ホルモン成分のドロスピレノンと、卵胞ホルモン成分のエチニルエストラジオール(EE)0.020mgを配合した、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)です。EEが少量のため、いわゆる「超低用量ピル」に分類されます。

月経困難症・子宮内膜症の治療薬(保険適用)

ドロエチフレックスは保険が適用される治療薬で、次のような症状の軽減が期待できます。

・月経困難症(強い生理痛で学校・仕事・家事などの日常生活に支障が出る状態)
・子宮内膜症に伴う疼痛

排卵を抑えてホルモンの波を安定させることで、生理痛や経血量、それに伴う頭痛・腰痛などのつらい症状を和らげる効果が期待できます。原因疾患のない原発性月経困難症だけでなく、子宮内膜症などに伴う続発性月経困難症も対象です。

ヤーズフレックスの「オーソライズド・ジェネリック(AG)」

ドロエチフレックスは、先発品「ヤーズフレックス配合錠」のオーソライズド・ジェネリック(AG)です。AGとは、先発品メーカーの許諾を受けて、有効成分・添加物・製法・効能効果・用法用量のすべてが先発品と完全に同一のまま製造されるジェネリック医薬品のこと。成分は同じなので効きが違ったりすることがなく、これまでヤーズフレックスを使っていた方も安心して切り替えられるのが特徴です。

※一般的な後発品では、薬を飲みやすくするために、薬をコーティングして糖衣錠にしたり、粒を小さくしたりといった後発企業ならではの工夫があることがあります。AGの場合、そういったオリジナルの要素がないものです。

【注意】避妊目的のピルとしては処方されません

ドロエチフレックスには排卵を抑制する作用があるため、結果として避妊効果も期待できる成分構成にはなっていますが、日本国内で承認されている効能・効果はあくまで「月経困難症」「子宮内膜症に伴う疼痛の改善」です。避妊のみを目的とした処方(保険診療・自費診療のいずれも)には対応していません。避妊を目的とする場合は、低用量ピル(OC)など別の選択肢について医師に相談するようにしましょう。

ポーチに入った数枚の低用量ピル
Photo:PIXTA 

「ヤーズフレックス」や「ドロエチ」との違いは?

ここでは、従来製品である、「ヤーズフレックス」「ドロエチ(28日周期タイプ)」との違いについて解説します。

先発品「ヤーズフレックス」との違いは価格のみ

前述の通り、ドロエチフレックスはヤーズフレックスのAGなので、成分・効果・飲み方に違いはありません。異なるのは販売メーカーと薬価(薬の価格)です。

 

ヤーズフレックス(先発品)

ドロエチフレックス(AG)

有効成分ドロスピレノン・エチニルエストラジオール同左
効能・効果月経困難症、子宮内膜症の疼痛改善同左
飲み方最長120日連続服用同左
薬価(目安)267.60円/錠98.80円/錠
3割負担時の目安(28日分)約2,250円約840円

ヤーズフレックス(先発品)とドロエチフレックス(後発品)の比較表

薬価はヤーズフレックスの3分の1程度で、3割負担での自己負担額も半額以下に抑えられる計算です。すでにヤーズフレックスを内服されている方であれば、飲み方を変えずに薬だけをドロエチフレックスに切り替えることで、経済的な負担を減らせます。

「ドロエチ(28日周期)」との違いは最長120日の連続服用

一方、同じ「ドロエチ」という名前でも、以前から処方されている28日周期タイプの「ドロエチ配合錠」とは飲み方が異なります。黄体ホルモン成分はいずれもドロスピレノンで共通ですが、休薬の仕組みが違うため整理しておきましょう。

薬剤名

黄体ホルモン成分

基本的な服用サイクル

主な特徴

ドロエチ/ヤーズ
(28日周期)
ドロスピレノン実薬24日+偽薬4日毎月同じ周期で管理しやすい
ドロエチフレックス
/ヤーズフレックス
ドロスピレノン内服24~120日+休薬4日
(出血に応じて内服日数は変動する)
連続投与法では、予定された
消退出血の回数を減らせる

28日周期で休薬するタイプの「ドロエチ」との比較表

28日周期タイプは、有効成分を含む実薬を24日間、その後有効成分を含まないプラセボ(偽薬)を4日間服用する構成で、1シート(28日)ごとに消退出血(生理のような出血)が起こります。

これに対してフレックス処方のタイプは、最長で120日間までは、実薬を連続して服用できるようになっています。うまくコントロールできれば、出血の回数を年3〜4回程度まで減らすことも可能とされ、年間の生理が大幅に減らせるというメリットがあります。

カレンダーを指差して生理のスケジュールをチェックする女性
Photo:PIXTA 

【誤解に注意】みんながみんな120日間生理が止まるわけではない!

「最長120日間連続服用できる」というキャッチフレーズから、「120日間、出血が全然起こらない薬」と誤解されて受診されるケースがありますが、残念ながらこの理解は不正確です。実際のところ、ほとんどの人が120日に到達する前に不正出血(破綻出血)が起こります。「最長で」120日間出血しない人がいるということです。

その場合は、前述の「25日目以降に3日間連続出血があれば4日間休薬する」というルールに従って、その時点で休薬期間に入る必要があります。国内外の臨床試験の結果でも、連続服用日数が120日に到達しているのはその「約2割」とされています。
先発品のヤーズフレックスを処方している患者さんに聞いた感覚だと、1ヶ月半〜2ヶ月くらいはもつ人が多い印象ですが、120日まるっと出血がなく済む人というのは少数派です。

不正出血に困った顔をする女性
Photo:PIXTA

出血のコントロールには個人差が大きく、服用を始めた最初の数シートは、不正出血があったり、比較的短い周期で出血が起こることも珍しくありません。服用を継続するうちに、出血のない期間がだんだん伸びていき、自分はこのくらい連続服用すると出血するんだな、というペースがつかめてきます。ここまで来たら、旅行や試験などのイベントに出血が被らないように連続で飲み続けたり、逆にわざと直前に出血を起こすようにしたりして、調整できるようになるというわけです。

「120日間生理を止められる」という意味ではなく、「服用を続けながら生理をコントロールすることで、結果的に120日連続で生理を止められる人もいる薬」であるという点を理解しておくことが大切です。
 

太田 寛

この記事の監修医師

産婦人科医師

太田寛先生

産婦人科

千葉県成田市リリーベルクリニック勤務。

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