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気になるキーワード 「カンジダ」

カンジダの症状をチェック|おりもの・かゆみの特徴と発症する3つの要因を解説

 

デリケートゾーンの近くにハートを抱えた女性

デリケートゾーンのかゆみや、いつもと違うおりもの。それはもしかすると「カンジダ」と呼ばれる、とても身近な症状かもしれません。

外陰腟カンジダ症(腟カンジダ症)は、女性の約75%が生涯に一度は経験するといわれるほど一般的なデリケートゾーンのトラブルです。決して珍しい病気ではありませんし、性行為の有無に関係なく起こります。

今回の記事では、カンジダの症状の見分け方から、市販薬について、そして再発を防ぐ日常のケア方法まで、3回に分けてわかりやすく解説していきます。「今つらい症状をなんとかしたい」という方も、繰り返す症状をどうにかしたい、という方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

その症状、カンジダかも?特徴的な症状とは?

「なんだかデリケートゾーンがかゆい」「おりものの様子がいつもと違う」。そんなとき、まず気になるのは「これって何の症状?」ということではないでしょうか。
カンジダには、他の腟トラブルとは少し違う兆候があります。ここでは、代表的な症状を一つずつ確認していきましょう。

白い「カッテージチーズ状」のおりもの

カンジダ腟症でもっとも典型的な症状のひとつが、おりものの異常です。
通常のおりものは透明〜白っぽく、さらっとした質感ですが、カンジダに感染すると、白くてポロポロとした塊状のおりものが出ることがあります。カンジダになった時のおりものが「カッテージチーズ」や「酒粕(さけかす)」にたとえられることが多いのは、このためです。

おりものの量が急に増えたり、下着に白い塊がつくようになったりした場合は、カンジダかもしれません。なお、カンジダのおりものには強いにおいがないことも特徴のひとつです。もし魚くさいような不快なにおいがある場合は、別の原因(細菌性腟炎など)の可能性もありますので、区別のポイントとして覚えておきましょう。

我慢できない「強いかゆみ」と「熱感」

カンジダのもうひとつの大きな特徴が、デリケートゾーンの強いかゆみが現れることです。
かゆくて仕事や家事に集中できなかったり、ひどい人は夜、眠れないほどかゆい、といった声をよく耳にします。このかゆみは、カンジダ菌が腟の粘膜や外陰部に炎症を起こすことで生じるもので、ひどい場合にはヒリヒリとした灼熱感や、外性器にも赤く腫れた感じを伴うこともあります。

かゆいとつい掻きむしってしまいがちですが、掻くことで皮膚が傷つき、さらに炎症が悪化する悪循環に陥ってしまうこともあります。とにかくかゆみが強い、外陰部がヒリヒリするなど感じたら、自己判断でやり過ごさず、早めに医師に相談して対処を心がけましょう。

【比較表】カンジダと他の性感染症(クラミジア・トリコモナス)の見分け方

デリケートゾーンに異常を感じたとき、「カンジダなのか、それとも別の病気なのか?」が気になるところ。以下に、代表的な症状を比較してまとめました。

カンジダを他の感染症と区別する際の特徴比較

セルフチェックの目安としては、

白くてポロポロしたおりもの+強いかゆみ → カンジダの可能性
おりものの変化が軽い+下腹部痛がある → クラミジアの可能性
黄緑色で泡っぽいおりもの+強いにおい → トリコモナスの可能性

というようなのがざっくりした見分け方ですが、あくまでも目安。複数の感染症を同時に起こしていることもありますし、症状だけで正確に見分けることは専門家でも難しい場合があります。いつもと違うと感じたら、自己判断に頼らずに、早めに婦人科を受診して正確な検査を受けましょう。

なぜ発症するの?カンジダ菌が増殖する3要因とは?

そもそもカンジダってどうしてなるのでしょうか。腫れやかゆみを伴うので、ひょっとしたら性感染症かも?!とびっくりして診察に来られる方もいらっしゃるのですが、カンジダは、不衛生や性行為が原因で起こる病気ではありません。

カンジダの原因となる「カンジダ菌(カンジダ・アルビカンス)」は、もともと腟内や腸、皮膚などに存在する「常在菌」の一種です。ふだんは体の免疫や、腟内に住む善玉菌(乳酸桿菌)がカンジダ菌の増殖を抑えてくれているため、とくに悪さをすることはありません。

何かをきっかけにしてこのバランスが崩れると、カンジダ菌が一気に増殖し、前述のような症状を引き起こすのです。ここでは、そのきっかけになる3つの主な要因について見ていきましょう。

カンジダの増殖要因の図解

原因その①
体調不良やストレス

カンジダ発症のもっとも大きな引き金のひとつが、免疫の低下です。
私たちの体は、免疫の力でカンジダ菌を含むさまざまな微生物のバランスを保っています。ところが、次のような状態になると免疫の働きが弱まり、カンジダ菌が増えやすくなります。

・風邪やインフルエンザなどで体調不良が続いているとき
・睡眠不足や過労が蓄積しているとき
・仕事や人間関係などで強いストレスを感じているとき
・妊娠中(ホルモンバランスにより腟内環境が変わりやすい)
・糖尿病などの持病がある場合

忙しい時期にかぎって繰り返してしまうという方もけっこういて、プロジェクトがピークを迎えた時、締め切り前など、忙しくストレスフルなタイミングで繰り返し発症するという人もいます。そういう意味では、カンジダは、体からの「少し休みなよ」、というシグナルともいえるかもしれませんね。疲れやストレスが続いているときほど、意識的に休息をとるようにして予防につなげましょう。

原因その② 
抗生物質の服用による菌バランスの崩れ

これもありがちなのが、別の症状で病院にいき、治療のために抗生物質を飲んだら、デリケートゾーンがかゆくなったというケース。同じような経験をお持ちの方は意外と多いのではないでしょうか。(筆者もそのひとりです)

抗生物質は、病気の原因となる細菌を退治してくれる大切な薬ですが、同時に腟内でいい働きをしている善玉菌(乳酸桿菌/ラクトバチルス)まで一緒に減らしてしまうことがあります。

腟の中は通常、乳酸桿菌が作り出す乳酸によって弱酸性にキープされ、この環境がカンジダ菌をはじめとする有害な菌の増殖を防いでいます。これが腟の自浄作用と呼ばれるしくみです。

ところが、抗生物質によって乳酸桿菌が減ると、カンジダ菌にとって絶好の増えやすい環境が整ってしまうのです。
だからといって、処方された抗生物質を自己判断でやめるのはNG。もし抗生物質を服用するたびにカンジダの症状が出るようなら、処方医にそのことを伝えておくと、予防的な対応を考えてもらえることもありますので相談してみましょう。

テーブルで薬を飲む女性

治療のために飲んだ抗生物質が良い菌を減らしてしまうケースも/Photo:PIXTA

原因その③ 
デリケートゾーンのムレや過度な洗浄

日常生活の中にも、カンジダを招きやすくする習慣が潜んでいます。代表的なものが「蒸れ」と「洗いすぎ」です。

カンジダ菌が好む「高温多湿」の環境とは?

カンジダ菌は、温かくて湿った環境を好みます。デリケートゾーンにムレを引き起こすような環境は、カンジダ菌の増殖を助けてしまうことがあります。

・タイトなジーンズやストッキングの長時間着用
・ナイロンやポリエステルなど、通気性の低い素材の下着を着けている
・おりものシートやナプキンを長時間交換せずに使う
・入浴後や運動後に、湿った状態を放置している

とくに日本の梅雨〜夏場は湿度が高く、カンジダの発症や再発が増える傾向があります。

洗いすぎ。自浄作用を壊す意外な落とし穴

デリケートゾーンを清潔にしなきゃ、と思うあまり、ボディソープやせっけんでゴシゴシ洗ったりした経験はありませんか?実はこれ、かえって逆効果になることがあるので要注意です。

先ほどお伝えしたように、腟内には自浄作用があり、善玉菌がバランスを保ってくれています。しかし、アルカリ性の強いせっけんやボディソープで外陰部を過度に洗うと、このバランスが乱れ、善玉菌が減ってカンジダ菌が増殖しやすくなってしまうのです。

また、腟内を直接洗浄する「ビデ(腟洗浄)」を習慣的に行うことも、自浄作用を低下させる原因に。デリケートゾーンのケアには「過度に洗いすぎない」ことも実はとても重要なのです。

性器にかゆみを感じる女性のイラスト

まとめ|「カンジダかも?」と思ったら早めの受診を

カンジダ腟症は「白いポロポロしたおりもの」と「強いかゆみ」が代表的な症状ですが、似た症状を起こす病気は他にもあるため、見た目の症状だけで確定するのは難しいです。
また、カンジダは不衛生や性行為といったことが原因ではありません。

免疫の低下・抗生物質の服用・蒸れや洗いすぎといった日常的なきっかけで誰にでも起こりうるありふれたトラブルです。
「もしかしてカンジダかも?」と思うようなおりものの違和感を感じたら、早めの受診を。

次回の記事では、ドラッグストアなどで販売されている市販薬がについても解説します。

【参考情報・出典】
1)Centers for Disease Control and Prevention(CDC). "Vulvovaginal Candidiasis (VVC)." Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. https://www.cdc.gov/std/treatment-guidelines/candidiasis.htm (最終閲覧日:2026年3月25日)
日本感染症学会・日本化学療法学会 JAID/JSC 感染症治療ガイド2023
病気がみえる 婦人科・乳腺外科  vol.10 メディックメディア
日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編」

柴田綾子

この記事の監修医師

医長

柴田綾子先生

産婦人科

世界遺産15カ国ほど旅行した経験から母子保健に関心を持ち産婦人科医となる。2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修し2013年より現職。女性の健康に関する情報発信やセミナーを中心に活動。著書:女性の救急外来 ただいま診断中!(中外医学社,2017)、産婦人科ポケットガイド(金芳堂,2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社,2021)明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社,2022)

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