おすすめ漢方薬シリーズ 「生理痛」
毎月のつらさに。生理痛におすすめの漢方薬3選
毎月の生理が近づくたび、下腹部が重く痛んだり、腰痛になったりして、なんとなく気持ちまで沈んでしまう生理痛。生理痛治療の選択肢は増えていますが、ピルやホルモン剤を色々試してみたけど合うものがなかった、月によって波があり、そこまで毎回つらいわけではないので、できれば漢方や軽い痛み止めでピンポイントに対処したい、という方もいらっしゃると思います。生理痛の痛みのあらわれ方は人それぞれですが、今回は、生理痛におすすめの漢方薬を解説します。
東洋医学の観点から生理痛はどうみる?
東洋医学では、生理痛は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の巡りやバランスの乱れと深く関わると考えます。特に、生理に関わる不調は「血」の不足や滞り、つまり血が足りない状態や流れが悪い状態が背景にあることが多いです。
冷えやむくみがある人は、体を温めて巡らせる力が弱くなることで出てくる鈍い痛み。血の巡りが滞った「瘀血(おけつ)」タイプの方では、刺すような痛みや経血の塊が目立つことがあります。大切なのは、同じ生理痛でもどんな「証」に当てはまるかを見極めることです。
生理痛におすすめの漢方薬3選
1.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷えやむくみがあり、体力があまりなく、色白で貧血傾向のある人の鈍い痛みに向く漢方薬です。
2.桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
瘀血体質で、経血に塊が混じりやすく、下腹部を押すと痛みがあるタイプの方におすすめの漢方薬です。
3.芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
急に強く出る生理痛に痛み止めとして取り入れられる漢方薬です。

Photo:PIXTA
生理痛におすすめの漢方薬を解説
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷えやむくみがあり、疲れやすく、やや虚弱なタイプの方におすすめです。
【こんな症状に】
下腹部がしくしく痛む/生理前後に足先が冷える/顔色が白っぽく疲れやすい/雨の日や夕方にむくみやすい/立ちくらみしやすい
【含まれる生薬】
当帰、芍薬、川芎、茯苓、白朮、沢瀉
【特徴・効果】
当帰芍薬散は、「血」を補いながら「水」の巡りを整えることで、冷えやむくみをともなう生理痛に働きかけます。血が不足して巡りが弱くなることで起こる、重だるく鈍い痛みをやわらげたいときに向いています。味わいはやさしめで、漢方っぽさの中にほんのり甘みを感じることがあります。冷えやすい方は、食前または食間に白湯で飲むと続けやすいでしょう。体を冷やさないよう、温かい飲み物と合わせて取り入れるのもおすすめです。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血の巡りが滞りやすく、しっかりした体格で、下腹部の張りや痛みが強いタイプの方におすすめです。
【こんな症状に】
生理痛がズキズキ強い/経血にレバーのような塊が混じる/下腹部を押すと痛い/肩こりやのぼせがある/生理前になるとイライラしやすい
【含まれる生薬】
桂皮、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬
【特徴・効果】
桂枝茯苓丸は、滞った「血」の巡りを動かし、瘀血による生理痛を整える代表的な漢方薬です。下腹部の張り感や圧痛、経血の塊が気になるタイプに向いており、巡りが悪くて起こる痛みをやわらげます。桂皮が入るため、ほのかなシナモンの香りが感じられ、ややすっきりとした風味です。食前または食間に、少し温かい白湯で飲むと飲みやすいでしょう。冷えとのぼせが同時にある方にも使われることがあります。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
急に差すような強い痛みがあり、今すぐ何とかしたいと感じるタイプの方におすすめです。
【こんな症状に】
急におなかがぎゅっと痛む/生理中に痛みの波が強い/下腹部がつるように痛い/痛みで動けなくなることがある/外出先で急につらくなる
【含まれる生薬】
芍薬、甘草
【特徴・効果】
芍薬甘草湯は、筋肉の緊張やけいれんのような痛みをやわらげる働きがあり、急性の強い生理痛に頓服として使われることの多い漢方薬です。「血」を養う芍薬と、緊張をゆるめる甘草が組み合わさって、突発的な痛みにすばやく対応しやすいのが特徴です。味は比較的シンプルで、ほのかな甘みを感じやすい処方です。痛みが強いタイミングで白湯とともに服用するとよいでしょう。毎日の体質改善というより、つらいときの支えとして取り入れられる漢方薬です。
まとめ
生理痛は、東洋医学では「血」の不足や滞り、さらに冷えや「水」の偏りが重なって起こると考えられます。同じ痛みでも、鈍く重い痛みなのか、刺すように強い痛みなのかによって、合う処方は変わってきます。
自分の体質や痛み方に合った証で選び、当帰芍薬散や桂枝茯苓丸などは、続けることで徐々に体質を改善していくことを目指しましょう。迷ったときは、医師や漢方に詳しい専門家に相談しながら、自分に合った漢方薬を見つけてみてください。
また、痛みが毎月続くようであれば、ホルモン治療をはじめとした治療の対象となります。ぜひ産婦人科医に相談を。
漢方薬以外の生理痛治療に関する解説はこちらの記事にもございます。
【医師監修】生理痛は当たり前?病気なの?痛みの原因と緩和ケアで辛い日々を乗り切る
※本記事は「漢方と365日。」の協力で作成されました。
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