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「なんとなくだるい」が続いたら。慢性疲労・倦怠感におすすめの漢方薬3選

 

デスクにうつ伏せになる女性とタイトル

しっかり休んだはずなのに疲れが抜けない、朝から体が重く感じて動き出すまでに時間がかかる。そんな慢性疲労や倦怠感を、なんとなく年齢や忙しさのせいにしていませんか。気力がわかず、仕事や家事をこなすだけで一日が終わってしまうと、心までしぼんでしまいますよね。そんなとき、体の土台を整える漢方や養生を取り入れてみるのもひとつの方法です。

東洋医学の観点から慢性疲労・倦怠感を解説

東洋医学では、疲れやすさやだるさは、「気」が不足した気虚(ききょ)の状態と深く関わると考えられています。「気」は、体を動かし、温め、内臓を働かせるエネルギーのようなもので、これが不足すると、だるい、食欲がない、息切れしやすいといった不調が出やすくなります。また、「血(けつ)」も不足すると、顔色が冴えない、めまいがする、回復に時間がかかるなど、全身の弱りが目立ってきます。さらに、胃腸が弱ると食べたものをうまくエネルギーに変えられず、疲労が長引く原因になることもあります。慢性疲労を整えるには、どこが弱っているのかという「証」を見極めることが大切です。

疲れにおすすめ漢方薬3選(一覧)

1.補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
食欲不振や倦怠感、手足のだるさがあり、気虚が中心となっているタイプの方に向いています。

2.十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
気血両虚で、顔色の悪さや貧血傾向、全身の衰弱が強いタイプの方に向いています。

3.六君子湯(りっくんしとう)
胃腸虚弱が疲労の根本にあり、食後の眠気や胃もたれ、食欲不振を伴うタイプの方に向いています。

疲れてソファーに倒れ込むビジネスウーマン

慢性疲労・倦怠感におすすめの漢方薬の特徴は?

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

疲れやすく、食欲がなく、体を支える「気」が足りない虚証タイプにおすすめです。

【こんな症状に】

朝から体が重い/食欲がわかない/手足がだるい/少し動くと疲れる/声に元気が出にくい

【含まれる生薬】

黄耆、人参、白朮、当帰、柴胡、陳皮、大棗、甘草、升麻、生姜

【特徴・効果】

補中益気湯は、不足した「気」を補い、下がったエネルギーをぐっと持ち上げるように整える処方です。だるさや食欲不振、疲れて気力が続かないときに活用されている処方で、気虚の代表的な漢方薬として知られています。味はやや甘みがあり、草木のようなやさしい香りが感じられるでしょう。食前または食間に白湯で飲むと取り入れやすく、朝から疲れていたり、日中のだるさが気になったりする人にも向いています。

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

疲れに加えて顔色の悪さや冷え、回復力の低下が目立つ、気血両虚タイプにおすすめです。

【こんな症状に】

ずっと体がだるい/顔色が冴えない/立ちくらみしやすい/病後で体力が戻らない/手足が冷えやすい

【含まれる生薬】

黄耆、人参、当帰、芍薬、地黄、川芎、白朮、茯苓、甘草、桂皮

【特徴・効果】

十全大補湯は、「気」と「血」の両方をしっかり補い、衰えた体を内側から立て直していく処方です。疲れやすさだけでなく、顔色の悪さ、貧血傾向、病後の回復の遅れなど、全身の弱りが強いときに向いています。味はまろやかな甘みの中に、少し温かみのある風味があり、漢方の中では比較的飲みやすい部類でしょう。食前または食間に白湯で服用し、無理に動きすぎず、十分な休養を意識した生活と合わせるのがおすすめです。

六君子湯(りっくんしとう)

胃腸が弱く、食べても力になりにくいことで疲れが続く虚証タイプにおすすめです。

【こんな症状に】

食後に強い眠気がくる/胃がもたれやすい/少し食べるとお腹いっぱいになる/食欲がない/疲れると胃の調子まで落ちる

【含まれる生薬】

人参、白朮、茯苓、半夏、陳皮、甘草、大棗、生姜

【特徴・効果】

六君子湯は、胃腸の働きを整えて「気」を補い、食べたものをきちんとエネルギーに変えられるよう助ける処方です。胃もたれや食欲不振、食後の眠気など、消化機能の弱さが背景にある疲労感に向いています。味はほのかな甘みに、みかんの皮を思わせるさっぱりした香りが感じられます。食前または食間に白湯で飲むと胃腸になじみやすく、食事を抜きがちな人も生活リズムと一緒に整えていくとよいでしょう。

まとめ

慢性疲労や倦怠感は、東洋医学では主に「気虚」を中心に、「血」の不足や胃腸の弱りが重なって起こると考えます。食欲不振や手足のだるさが目立つなら補中益気湯、全身の衰弱や顔色の悪さが強いなら十全大補湯、胃腸虚弱が土台にあるなら六君子湯というように、同じ疲れでも症状によって選ぶ処方は異なります。大切なのは、一時的な回復のためだけでなく、疲れ方や食欲、冷え、回復力まで含めて「証」を見ていくことです。自分に合った漢方薬で体の土台を整えることで、重だるい毎日が少しずつ軽く感じられるようになるかもしれません。調子がよくなったからといって無理はせず、十分な休養をとることも忘れずに。

※本記事は「漢方と365日。」の協力で作成されました。
漢方と365日
【みんなとつくる漢方メディア 漢方と365日。】
難しいと思われがちな漢方をよりわかりやすく、そして自分事にしてほしいという願いからオープンした「漢方と365日。」
漢方体質診断「見つかる!わたしの不調スイッチ」で自分の体質を知ることができるほか、現時点での自分の体や心がどんな状態であるか確認でき、体質に合わせた生活習慣や運動などの養生法を手に入れられる。漢方の処方を受けられる医療機関の検索も可能。

この記事の監修医師

丸の内の森レディースクリニック

吉住奈緒子先生

大阪大学医学部医学科卒。 大阪府立急性期・総合医療センター、厚生労働省医系技官などを経て、現在は東京女子医科大学附属東洋医学研究所 助教。 専門は公衆衛生、東洋医学。毎週火曜日、丸の内の森レディースクリニックで漢方外来を担当。

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