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繰り返すつらさに。口内炎におすすめの漢方薬3選

唇を指で広げた女性とタイトル

気づくとまた同じ場所がヒリヒリして、食事も会話もおっくうになる。そんな口内炎のつらさ、なんとなくやり過ごしていませんか。忙しさや疲れが重なったときに繰り返しやすく、食事を楽しめないうえに、気分まで沈んでしまうことも。そんなときは、炎症そのものだけでなく、体の内側のバランスを整える漢方や養生にも目を向けてみましょう。

東洋医学の視点では口内炎をどうみる?

東洋医学では、口内炎は体の中にこもった「熱(ねつ)」や、胃腸の不調による「湿(しつ)」、疲れによる「気虚(ききょ)」などが関わると考えます。たとえば、胃に熱がこもると口の中に炎症が起こりやすくなり(熱)、ヒリヒリ感や赤みとしてあらわれます。一方で、胃腸が弱って水分代謝が乱れる(湿)と、みぞおちのつかえや軟便を伴いながら口の中にも不調が出ることがあります。また、疲れがたまって「気」が不足することで、口内炎が治りにくい、繰り返しやすい、という形であらわれやすくなります。同じ口内炎でも、どんな証なのかによって選ぶ処方が変わります。

口内炎におすすめの漢方薬3選

1.半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
みぞおちのつかえや軟便を伴いやすく、中間証の口内炎に向いています。

2.黄連湯(おうれんとう)
胃の冷えがありながら口の中には熱感がある、腹痛や吐き気を伴うタイプに向いています。

3.補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
疲れや食欲不振があり、繰り返す口内炎を体質から整えたい虚証タイプに向いています。

テーブルに置かれた野菜と口内炎の女性

口内炎におすすめの漢方薬3種類を解説

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

みぞおちのつかえやお腹の不調を伴いながら、口内炎ができやすいタイプの方におすすめ。

【こんな症状に】

口の中がしみる・痛む/口内炎が何度もできる/みぞおちがつかえる感じがする/お腹がゴロゴロしやすい/便がゆるくなりやすい

【含まれる生薬】

半夏、黄芩、乾姜、人参、甘草、黄連、大棗

【特徴・効果】

半夏瀉心湯は、胃腸の働きを整えながら、上にこもった熱をさばき、口内の炎症を落ち着かせる処方です。「寒熱錯雑(かんねつさくざつ)」といって、冷えと熱が入り混じったようなバランスの悪い状態を整えるのが特徴で、口内炎の代表的な処方としてよく使われています。味はやや苦みがありつつ、後味に甘みを感じやすいでしょう。食前または食間に白湯で服用するのが基本で、患部の状態によっては溶かして直接塗布する方法をとることもあります。

黄連湯(おうれんとう)

胃のあたりは冷えやすいのに、口の中が熱っぽく荒れやすいタイプの方におすすめ。

【こんな症状に】

口の中が熱くしみる/口内炎が赤く痛む/みぞおちが痛む/吐き気がある/温かいものを飲むと少し楽になる/のぼせや頭痛がある

【含まれる生薬】

黄連、乾姜、甘草、桂皮、人参、半夏、大棗

【特徴・効果】

黄連湯は、胃の冷えを温めながら、口や頭にこもった熱を鎮める処方です。上は熱く、内側には冷えがあるアンバランスを整えるため、口内炎に加えて腹痛や悪心を伴う症状があるときに向いています。桂皮が入っているので、苦みの中に、ほのかにシナモンのような香りや温かみを感じる風味が特徴です。食前または食間に白湯で飲むと飲みやすく、胃腸が弱りやすいときは冷たい飲み物を控えると相性がよいでしょう。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

疲れやすく、食欲が落ちやすいなど、気虚を背景に口内炎を繰り返すタイプの方におすすめ。

【こんな症状に】

口内炎がなかなか治らない/疲れるとすぐできる/食欲がわかない/だるくて元気が出ない/風邪をひきやすい

【含まれる生薬】

黄耆、人参、白朮、当帰、柴胡、陳皮、大棗、甘草、升麻、生姜

【特徴・効果】

補中益気湯は、不足した「気」を補って胃腸の働きを支え、口内炎を繰り返しにくい体づくりを助ける処方です。炎症を直接しずめるというよりは、疲労や食欲不振など、体調の弱った土台を整えて体質改善をしたいときに向いています。味はやさしい甘みの中に、少し薬草らしい香りが感じられます。食前または食間に白湯で服用し、無理を重ねやすい時期こそ、睡眠や食事も合わせて見直していくとよいでしょう。

まとめ

口内炎は、東洋医学では「熱」や「湿」、そして疲れによる「気虚」などが重なって起こる不調と考えます。みぞおちのつかえや軟便を伴うなら半夏瀉心湯、胃の冷えと口の熱感が同時にあるなら黄連湯、繰り返しやすく疲れやすいなら補中益気湯というように、口内炎とともに現れる症状を総合的に判断した「証」によって選び方が変わります。表面的な症状だけではなく、胃腸の状態や疲れやすさまで含めて整えることが、口内炎を繰り返さないための近道になることもあります。自分に合った処方を選ぶことで、しみる痛みや不快感がやわらぎ、毎日の食事や会話も少し楽になるでしょう。迷ったときは、医師や漢方に詳しい専門家に相談しながら、ご自身の体質に合った方法を見つけていきましょう。

※本記事は「漢方と365日。」の協力で作成されました。
漢方と365日
【みんなとつくる漢方メディア 漢方と365日。】
難しいと思われがちな漢方をよりわかりやすく、そして自分事にしてほしいという願いからオープンした「漢方と365日。」
漢方体質診断「見つかる!わたしの不調スイッチ」で自分の体質を知ることができるほか、現時点での自分の体や心がどんな状態であるか確認でき、体質に合わせた生活習慣や運動などの養生法を手に入れられる。漢方の処方を受けられる医療機関の検索も可能。

この記事の監修医師

丸の内の森レディースクリニック

吉住奈緒子先生

大阪大学医学部医学科卒。 大阪府立急性期・総合医療センター、厚生労働省医系技官などを経て、現在は東京女子医科大学附属東洋医学研究所 助教。 専門は公衆衛生、東洋医学。毎週火曜日、丸の内の森レディースクリニックで漢方外来を担当。

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