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おすすめ漢方シリーズ 「喉のつかえ」

喉のつかえ感におすすめの漢方薬3選

喉を押さえる女性とタイトル

季節の変わり目になると、気温差や環境の変化に心も体もついていかず、なんとなく喉の奥がつかえるように感じることはありませんか。飲み込みにくいわけではないのに、変に何かが引っかかっているように感じて気になってしまうものです。こんな喉のつかえ感のことを漢方では梅核気(ばいかくき。喉に梅の種がつまったような異物感のこと)と呼び、心身のバランスの乱れとしてとらえ、漢方薬や養生で整えていく考え方があります。

東洋医学の視点から喉のつかえ感・梅核気を解説

東洋医学では、喉のつかえ感や梅核気は、気の流れが滞る「気滞」がベースにあると考えます。ストレスや緊張が続くと気が上手に巡らず、胸や喉のあたりに“つかえ”としてあらわれやすくなる、というものです。さらに、水が偏ってたまると痰(たん)や湿(余分な水分)が生じ、喉の違和感を強めることもあります。漢方では、同じ梅核気でも不安感や気分の落ち込みなどが強いのか、咳や痰を伴うのか、胃腸が弱いのかといった「証」の違いを見て、合う処方を選んでいきます。

喉のつかえにおすすめの漢方薬3選

1.半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
梅核気のファーストチョイスで、喉の異物感が気になり、不安や抑うつ傾向があり、ストレスで悪化しやすいタイプの方に向いています。

2.柴朴湯(さいぼくとう)
喉のつかえ感に加え、咳や痰、胸の苦しさを伴いやすく、気管支が敏感なタイプの方におすすめです。

3.香蘇散(こうそさん)
気うつが比較的軽く、胃腸が弱めで、神経質になって気分がふさぎがちなタイプの方に合いやすい処方です。

喉のつかえにおすすめの漢方薬を解説

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

喉の違和感が強く、不安や緊張を抱え込みやすい梅核気タイプの方におすすめです。

【こんな症状に】
喉に何かが引っかかる感じがする/胸のあたりがつかえる/ため息が増える/気分が沈みやすい/ストレスがかかると症状が強くなる
【含まれる生薬】
半夏、厚朴、茯苓、蘇葉、生姜
【特徴・効果】
半夏厚朴湯は、滞った気を巡らせながら、水の偏りから生じた痰をさばき、喉や胸のつかえ感をやわらげる処方です。検査では特に異常がないのに喉に異物感があるときの代表的な漢方として知られており、喉や胸のつかえをすっきりさせるように働く処方です。香りは紫蘇葉由来のさわやかさがあり、生姜の軽い辛みも感じられるでしょう。食前または食間に、白湯でゆっくり服用するのがおすすめです。

柴朴湯(さいぼくとう)

喉のつかえ感に加えて、咳や痰、胸苦しさが出やすいタイプの方におすすめです。

【こんな症状に】
喉の奥がふさがる感じがする/咳が長引きやすい/痰が切れにくい/胸が重くすっきりしない/季節の変わり目に呼吸が乱れやすい
【含まれる生薬】
柴胡、半夏、厚朴、茯苓、黄芩、人参、大棗、甘草、生姜、蘇葉
【特徴・効果】
柴朴湯は、小柴胡湯と半夏厚朴湯を合わせた考え方の処方で、気の滞りをほぐしつつ、痰や炎症をともなう不調にも幅広く対応します。喉や食道部の異物感だけでなく、慢性的な咳、痰の出しにくさ、胸の苦しさがあるときに向いています。ほのかな苦みの中に生姜の温かみがあり、ややしっかりした風味です。食前または食間に服用し、喉の違和感が気になる時間帯に合わせて続けるとよいでしょう。

香蘇散(こうそさん)

気うつが軽めで、胃腸が弱く、気分の落ち込みや神経の張りを抱えやすいタイプにおすすめです。

【こんな症状に】
喉や胸がなんとなくつかえる/食欲が落ちやすい/胃が重たく感じる/気疲れしやすい/気分が晴れず、ふさぎ込みやすい/気力が出ない
【含まれる生薬】
香附子、蘇葉、陳皮、甘草、生姜
【特徴・効果】
香蘇散は、滞った気をやさしく巡らせ、胃腸の働きを助けながら、軽い気うつを整える処方です。神経を使いやすく、胃腸の弱さから不調が長引きやすい人の喉や胸のつかえ感に向いています。紫蘇の軽やかな香りが感じられ、比較的飲みやすい風味です。気分が落ち込みやすい朝や、食欲が出にくいときに、食前または食間に白湯で取り入れてみるのもよいでしょう。

まとめ

喉のつかえ感や梅核気は、東洋医学では気の巡りの滞りに、痰や湿が重なって起こる不調として考えます。とくに季節の変わり目は、自律神経の揺らぎやすさも重なり、喉の違和感が出やすい時期です。半夏厚朴湯、柴朴湯、香蘇散はどれも“つかえ”に使われることがある漢方ですが、不安感が強いのか、咳や痰などの炎症を伴うのか、胃腸の弱さが目立つのかで合う処方は変わります。

このため、自分の証(しょう)に合った漢方を選ぶことがとても大切です。気になる症状が続くときは、医師や漢方に詳しい専門家に相談しながら、自分に合う整え方を見つけていきましょう。

※本記事は「漢方と365日。」の協力で作成されました。 

漢方と365日

【みんなとつくる漢方メディア 漢方と365日。】
難しいと思われがちな漢方をよりわかりやすく、そして自分事にしてほしいという願いからオープンした「漢方と365日。」

漢方体質診断「見つかる!わたしの不調スイッチ」で自分の体質を知ることができるほか、現時点での自分の体や心がどんな状態であるか確認でき、体質に合わせた生活習慣や運動などの養生法を手に入れられる。漢方の処方を受けられる医療機関の検索も可能。

この記事の監修医師

丸の内の森レディースクリニック

吉住奈緒子先生

大阪大学医学部医学科卒。 大阪府立急性期・総合医療センター、厚生労働省医系技官などを経て、現在は東京女子医科大学附属東洋医学研究所 助教。 専門は公衆衛生、東洋医学。毎週火曜日、丸の内の森レディースクリニックで漢方外来を担当。

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