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連載|産婦人科で働く人たち 第2回

婦人科医 × スポーツドクターというキャリア 〜目先の勝利のために、将来を犠牲にしない〜

様々な競技のアスリートたち

連載「産婦人科で働く人たち」では前回、第1回として産婦人科を支える4つのプロ集団をご紹介しました。今回からはいよいよ、一つひとつの職種を深掘りしていきます。

記事はこちら→【第1回】産婦人科の現場を支える、チームの全貌

記念すべき第1弾にフォーカスするのは、「産婦人科医がアスリートを診る」という意外な専門を持つスポーツドクター。婦人科医でありながらスポーツドクターの資格を持ち、女性アスリートの生理や体の悩みに向き合っています。

女性アスリートに、婦人科の知識が必要な理由とは?

スポーツドクターというとケガなどの対処を行う整形外科のイメージが強いですが、女性アスリートの体には、婦人科の専門知識がなければ対応できない課題があります。

激しいトレーニングで月経が止まる。エネルギー不足が骨をもろくする。体重管理のプレッシャーから摂食障害に陥る。こうした問題は「スポーツにおける相対的エネルギー不足(relative energy deficiency in sport:REDs」として国際的にも知られており、競技生活だけでなく、将来の妊娠・出産などのライフステージにも関わる深刻な問題です。

婦人科医・スポーツドクターのキャリアパス

産婦人科医としてのキャリアは、専門医取得後にどの分野を深めるかで大きく枝分かれしていきます。婦人科を軸にスポーツドクターの道を選んだ場合、どんな将来像が描けるのでしょうか。

大学病院・総合病院

婦人科の一般診療をベースにしながら、アスリート外来や女性スポーツ医学の専門外来を担当するポジションです。研究や学会発表、後進の育成にも携わることができ、大学病院のスポーツ医学部門と連携してキャリアを築くケースもあります。

レディースクリニック・婦人科クリニック

月経トラブルやPMS、更年期障害などの一般婦人科を中心に、スポーツをする女性の相談にも対応する開業スタイルです。部活動に打ち込む中高生から、ランニングやジム通いを楽しむ一般女性まで、地域に根ざした診療ができるのが特徴です。

腰に手を当てて笑顔でポーズをとる女性アスリート
スポーツドクターは様々なスポーツに取り組む女性の伴走者。 Photo:PIXTA

スポーツチーム・競技団体の帯同ドクター

プロチームや日本代表の帯同ドクターとして、遠征や大会に同行するキャリアです。オリンピックや世界選手権などの国際大会に関わるには、日本スポーツ協会公認スポーツドクターの資格がほぼ必須とされています。常勤で帯同するケースのほか、病院勤務と並行して特定の競技団体に関わる働き方もあります。

研究・教育・啓発活動

女性アスリートの健康に関するエビデンスはまだ十分とは言えず、研究の担い手が求められている分野です。大学や研究機関でスポーツ医学の研究に取り組むほか、指導者や学校への啓発活動、たとえば「部活動での月経管理」や「REDsの予防」といったテーマで講演や教育プログラムに携わるキャリアも考えられます。

産婦人科医になるには?

産婦人科医になるためのステップは、簡単にまとめると以下のようになります。
STEP3までは、全ての診療科の医師が同じルートをたどります。
STEP4以降で、どの診療科を選ぶかによって、診療科や専門性が変わってくるのです。

1から3階までの階段を登る医師

STEP 1 医学部へ

医学部に進学する(6年間) 大学の医学部医学科に進学し、6年間の課程を修了します。

STEP 2 医師免許を取得

医師国家試験に合格する 卒業年度の2月に行われる医師国家試験を受験し、医師免許を取得します。

STEP 3 初期臨床研修を修了

初期臨床研修(2年間) 研修医として、内科・外科・救急など複数の診療科をローテーションしながら基礎的な臨床能力を身につけます。

STEP 4 産婦人科を専攻

産婦人科での後期研修(3年間〜) 産婦人科を専攻し、専門研修プログラムに参加。産科・婦人科・生殖医療など幅広い症例を経験します。

STEP 5 専門医を取得

産婦人科専門医を取得する 日本産科婦人科学会の専門医試験に合格し、「産婦人科専門医」の資格を取得します。ここからさらに婦人科腫瘍、周産期、生殖医療などのサブスペシャルティに進む医師もいます。

スポーツドクターを目指す場合は?

産婦人科専門医の取得後(または並行して)、日本スポーツ協会公認スポーツドクターの養成講習会を受講し、資格を取得します。スポーツ医学に力を入れている大学病院や、アスリート外来のある医療機関での経験が、キャリアの大きなステップになります。

 

ここまで、女性アスリートに婦人科の専門知識が必要な理由と、婦人科医からスポーツドクターへ進む複数のキャリアパス、そして産婦人科医になるまでのステップについてご紹介しました。同じ「産婦人科医」という肩書きでも、選ぶ道によって働き方はさまざま。次回の記事では、スポーツドクターとしての仕事の内容や面白さについて、実際に活躍する先生のインタビューを踏まえ、深堀りしていきます。

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