crumiiを応援する バナー

気になるキーワード 「カンジダ」

カンジダのつらいかゆみ・おりものは市販薬で治せる?病院に行くべきケースとの違いを解説

 

ドラッグストアの通路

前回の記事では、カンジダの症状や原因について解説しました。今回の記事では、市販されている薬について少し解説していきます。
前回記事>>カンジダの症状をチェック|おりもの・かゆみの特徴と発症する3つの要因を解説

【重要】市販薬で治せる?それとも病院へ行くべき?

忙しくて病院に行く時間がない、恥ずかしいからできれば市販薬で治したい、と思う気持ちは、とてもよくわかります。実際に、ドラッグストアにはカンジダの治療薬が市販されていますし、うまく活用すればとても便利です。

ただし、市販薬を使っていいケースと、必ず病院を受診すべきケースがあります。症状が長引いたり、別の病気を見落としてしまったりすることもあるので、ここは間違えないようにしましょう。

初めてなら必ず婦人科・泌尿器科の受診を

カンジダの症状が初めての方は、市販薬を使わず、まず婦人科(または泌尿器科)を受診してください。
その理由は大きく2つ。

理由①:自己判断では正確な診断ができないこと

前回の記事で比較をご紹介したように、デリケートゾーンのかゆみやおりものの異常を引き起こす病気は、カンジダだけではありません。クラミジアやトリコモナスなどの性感染症、細菌性腟症、あるいは接触性皮膚炎(かぶれ)など、似たような症状を示す疾患はいくつもあります。

とくにクラミジア感染症は、症状が軽いまま進行し、放置すると卵管炎や不妊の原因になることもある病気です。「たぶんカンジダだよね」と自己判断して市販薬を使い続けた結果、本当の原因を見逃してしまう、というのが、一番嫌なシナリオです。

婦人科では、おりものを少量採取する簡単な検査(腟分泌物の顕微鏡検査や培養検査)で、カンジダかどうかを正確に診断することができます。検査(採取)自体は数分で終わるものがほとんどですし、カンジダの診断であればその場で治療のための錠剤を入れてくれることもあります。

理由②:市販薬は法律上「再発」の方のみが対象

実は、カンジダの市販薬(第1類医薬品)は、薬事制度上「以前に医師からカンジダと診断されたことがある方の再発」に限って販売が認められているもので、ドラッグストアで購入する際にも、薬剤師から「過去にカンジダと診断されたことがありますか?」と確認されるはずです。つまり、初めての症状で市販薬を使うことは、そもそも想定されていないのです。まずは一度、専門医にきちんと診てもらうことが必要になります。

市販薬(第1類医薬品)が使えるのは「再発」の場合のみ 

では、どんな場合なら市販薬を使ってもいいのでしょうか?

どんなケースなら市販薬を使ってもいい?

市販薬を使ってよい条件としては、以下のすべて満たす場合です。

・過去に婦人科で「カンジダ腟症」と診断されたことがある
・以前と同じ症状(白いおりもの・強いかゆみなど)が出ている
・発熱や強い腹痛など、カンジダ以外を疑わせる症状がない
・妊娠中ではない(妊娠中は必ず受診が必要です)
・直近6ヶ月以内に2回以上の再発がない(頻回な再発は受診が推奨される)

これらの条件をすべて満たしている場合に限り、市販薬によるセルフケアが選択肢になります。
薬のウェブサイトにチェックシートなどがありますので、うまく活用しましょう。

悩む女性のイラスト

症状が悪化・長期化している場合は必ず受診する

再発だから市販薬で様子を見ていたけど、なかなか治らないというときは、市販薬での対処に固執せずに、早めに婦人科を受診しましょう。

婦人科を受診したほうがよいケース

・市販薬を使い始めて3〜4日経っても症状が改善しない
・市販薬を使い切っても(6日間タイプなど)症状が残っている
・年に4回以上カンジダを繰り返している(「再発性カンジダ腟症」の可能性)
・おりものに血が混じる、強い腹痛がある
・発熱を伴っている
・妊娠中、または妊娠の可能性がある
・糖尿病などの持病がある方

とくに、年に4回以上繰り返す「再発性カンジダ腟症」は、通常の単発的な治療とは異なるアプローチ(長期的な維持療法など)が必要になることがあります。体質とあきらめず、婦人科で相談してみてください。再発を減らすための治療計画を一緒に考えてもらえるはずです。

また、婦人科に抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、カンジダは婦人科で日常的に見られるオーソドックスな疾患のひとつ。医師にとっては毎日のように対応している症状ですので、安心して相談してください。

まとめ|市販薬は再発の場合のみ。
改善しなければ早めの受診を。

初めての症状であれば、自己判断せずに婦人科の受診を。似た症状を起こす別の病気を見逃さないためにも、正確な診断を受けることがとても大切だからです。

再発で、以前と同じ症状が出ている場合には、市販薬によるセルフケアという方法もありますが、市販薬を使い始めて3〜4日たっても改善しない場合や、何度も繰り返している場合や他の症状が伴う場合は、早めに婦人科を受診し、一度医師に相談してください。
次回の記事では、日常生活でできる、カンジダの再発防止策について解説します。

【参考情報・出典】
1)Centers for Disease Control and Prevention(CDC). "Vulvovaginal Candidiasis (VVC)." Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021. (最終閲覧日:2026年3月25日)
日本感染症学会・日本化学療法学会 JAID/JSC 感染症治療ガイド2023
病気がみえる 婦人科・乳腺外科  vol.10 メディックメディア
日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編」

柴田綾子

この記事の監修医師

医長

柴田綾子先生

産婦人科

世界遺産15カ国ほど旅行した経験から母子保健に関心を持ち産婦人科医となる。2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修し2013年より現職。女性の健康に関する情報発信やセミナーを中心に活動。著書:女性の救急外来 ただいま診断中!(中外医学社,2017)、産婦人科ポケットガイド(金芳堂,2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社,2021)明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社,2022)

監修チームについて知る
crumiiを応援する バナー

シェアする