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【前編】子宮腺筋症とは?強い生理痛や過多月経の原因と見逃せない症状をチェック
生理のたびに寝込むほど痛い。経血量が増えて、ナプキンがすぐいっぱいになる。年齢を重ねるほどつらくなってきた気がする。そんな背景に、「子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)」という病気が隠れていることがあります。
子宮腺筋症自体は命にかかわるような疾患ではないですが、痛み、貧血、不妊、妊娠中や産後のトラブルなどに関係し、日常生活や人生設計に大きく影響しうる病気です。症状の出方も、合う治療も、人によってかなり違います。今回はこの「子宮腺筋症」について解説します。
子宮腺筋症の正体|子宮筋腫や内膜症と何が違うの?
子宮腺筋症とは、本来は子宮のいちばん内側にあるはずの「子宮内膜」によく似た組織が、子宮の筋肉の層の中へ入り込んでしまう病気です。月経のたびにその部分が刺激され、子宮が厚く硬くなったり、強い痛みを伴ったり、経血の量が多くなったりします。女性ホルモン、とくにエストロゲンの影響を受けやすい病気で、閉経前までは徐々に悪化することがあり、閉経後には縮小して症状は軽快していきます。

よく似た名前の病気に、「子宮筋腫」と「子宮内膜症」があります。
子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる「こぶ」のような良性の腫瘍のことで、境目が比較的はっきりしています。一方、子宮腺筋症は、筋肉の中にしみ込むように広がることが多く、境目がわかりにくいのが特徴です。エコーの時も、子宮そのものに厚みがあるなどで判断しています。
子宮筋腫に関する詳しい記事はこちら。5分でわかる子宮筋腫の記事はこちら。
また、子宮内膜症は、子宮の外側、たとえば卵巣やお腹の中に「内膜に似た組織」ができる病気で、子宮の筋肉の中(筋層)に起きる子宮腺筋症とは場所が違います。
実際に診察していると、子宮腺筋症と子宮筋腫、あるいは子宮内膜症を合併している患者さんもたくさんいます。これらの疾患は症状自体も重なっていることが多いので、一般の方が自己判断ではきちんと見分けるのは難しいです。
あなたは大丈夫?子宮腺筋症を疑う症状チェックリスト
よくある症状その1:生理痛が年々ひどくなってきた
子宮腺筋症の患者さんの相談で多いのは、「生理痛が年々ひどくなってきた」という症状です。
若いころから多少の生理痛があったとしても、ここ数年で鎮痛薬が効きにくくなったとか、仕事や家事を休まないと耐えられない、以前よりも痛みが長引く、といった場合。
子宮腺筋症は月経困難症の原因として、子宮腺筋症は子宮筋腫や子宮内膜症と並ぶ代表的な病気のひとつなので、産婦人科でも生理痛などで相談された場合には、これらの症状を視野に入れながら超音波検査を行っています。

よくある症状その2:経血の量が増えた
次に見逃してほしくないのが、月経量の増加です。レバーのような血の塊が出る、夜用ナプキンでも足りない、1時間もたない、漏れが怖くて外出が不安になる、といった場合は「過多月経」の可能性があります。
子宮腺筋症の患者さんは月経量が増えやすく、長く続くと貧血になってしまうことがあります。顔色が悪い、疲れやすい、動悸や息切れがする、といった症状があるときは、鉄剤などで補うことも必要ですが、生理で出ていく血の量を抑えるための根本的な治療を並行していくことも大事です。
また、生理の時だけでなく、生理以外のタイミングで下腹部痛や腰痛、骨盤の奥が重だるい感じがあったり、性交痛などが症状として出る方もいます。
症状の強さは病変の広がり方や、筋腫・内膜症の合併があるかどうかも関わってきますので、生理が重いタイプだからと片づけず、生活に支障が出ているかどうかをひとつの目安にしてほしいです。
子宮腺筋症の診断までの流れと検査
次に、産婦人科を受診してから診断までの流れについて見ていきましょう。
受診した際の診断の流れ
診断は、問診と内診、そして画像検査を組み合わせて行います。まずは、生理痛の強さ、経血量、貧血症状、妊娠希望の有無などを詳しく確認し、そのうえで経腟超音波検査、いわゆるエコー検査を行うことが一般的です(性交渉歴がない場合は経腹超音波検査を行うこともあります)。

典型的な子宮腺筋症の患者さんの子宮は、子宮の壁がぷっくりと膨らんで見える Photo:PIXTA
子宮筋腫との区別がむずかしいときや、病変の広がり方をより詳しく知りたいとき、手術や高度な治療を検討するときには、MRIを行って調べることがあります。
MRIは強い磁石と電波を使って体の中を輪切りにして撮る検査で、放射線を使わずに子宮の内部構造をより細かく描き分けられるため、診断の確からしさを高めたり、治療方針を考えたりする場面で使っています。超音波を最初に行ってあたりをつけ、必要な時にMRIで補うイメージです。
まとめ|子宮腺筋症は月経困難症や過多月経、貧血にもつながることのある病気
子宮腺筋症は、子宮筋腫や子宮内膜症と混同されやすいものの、子宮の筋肉の中に内膜に似た組織が入り込む病気で、生理痛の悪化や過多月経、貧血につながることがあります。診断はエコー検査を基本に、必要に応じてMRIで詳しく調べていきます。
後編では、症状や妊娠希望に合わせた薬物療法・ミレーナ・手術療法などの治療の選び方と、不妊や妊娠への影響、受診前に整理しておきたいことを解説します。
▶次回:【後編】子宮腺筋症の治療法の選び方|薬物療法・手術・不妊への影響まで
<参考文献>
厚生労働省HP 女性ホルモンとうまく付き合っていくには?
厚生労働省 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ
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