ミレーナは誰でも入れられる?よくある5つの疑問を解説
ミレーナについて「気になっているけど自分は入れられるの?」というご質問をよくいただきます。医療機関やドクターの方針によって対応が異なる場合もありますが、今回の記事では実際にミレーナを希望される患者さんから現場でよく聞かれる疑問にお答えします。
Q1. お産したことがないのですが、入れられますか?
A1:産んだことがない方でも入れられます。
この質問はかなり多いです。かつて女性向け雑誌などで「ミレーナは未産婦には入れられない」と書かれていたことがあり、経産婦さんでないと挿入できないというイメージの方も多いのですが、これは誤りです。メーカーも未産婦への使用を認めており、海外でも広く行われています。
ミレーナを挿入するときには細い棒状の挿入器具を使って、腟から子宮口を通して子宮内に留置する処置を行います。経産婦の方の場合、出産時に赤ちゃんが子宮口を通過しており、大きく開いた経験があるため、器具が入りやすく痛みも少ない傾向があります。
一方、経腟分娩の経験がない方でも挿入は可能で、ミレーナを扱う多くの医療機関では「経腟分娩の経験がないから」というだけでお断りすることはありません。
ただ、クリニックの方針によって経産婦にしか挿入対応をしていないケースはありますので、事前にホームページで確認をしたり実際に問い合わせるなどして、出産経験のない人にも挿入が可能かどうかを確認しておくことをおすすめします。
Q2. 帝王切開をしたことがあるのですが、入れられますか?
A2:帝王切開の経験があっても、基本的には挿入可能としている医療機関が多いです。
帝王切開後は子宮に傷跡が残るため、「挿入器具が傷に当たるのでは」と心配される方もいます。医療機関によっては慎重な対応を取るケースもありますが、帝王切開経験があること自体が挿入できない決定的な理由にはならないと考えている医師が多いと思います。帝王切開の経験が2〜3回ある方でも同様です。
実際は、エコーで傷跡を含めて子宮、卵巣の状態を確認し、そのうえで挿入を決める形になると思います。気になる場合は受診時に帝王切開の経験があることを伝え、担当医に確認してみましょう。

Q3. 子宮筋腫があるのですが、入れられますか?
A3:筋腫の種類・大きさ・位置によって異なります。
子宮筋腫と一言にいっても、色々な種類があり、位置やサイズ、種類によって対応が異なります。このためミレーナ挿入前に筋腫の有無や位置などを確認したうえで、問題がなければ挿入するというフローになります。
子宮の内側(粘膜下)に筋腫がある「粘膜下筋腫」の場合、ミレーナが脱出するリスクが高いため、多くの医療機関では第一選択として推奨していません。ただし他の治療法が難しいケースなど、粘膜下筋腫があっても例外的に挿入を行うこともあります。すでに挿入されている方は過度に心配しなくて大丈夫ですが、まずは担当医にご相談ください。
治療や手術が必要な筋腫があったりした場合には、治療を優先する場合もあります。
Q4. 生理の量がとても多いのですが、入れられますか?
A4:入れることは可能ですが、タイミングを慎重に選ぶ必要があります。
月経量が多い「過多月経」は、まさにミレーナの挿入が適用される症状のひとつです。ただ、生理の量が非常に多い時期にミレーナを挿入すると、ミレーナが経血で押し流されてしまい、脱出するリスクがあります。そのため一般的には生理終了直後または生理中の挿入が推奨されています。
また、過多月経の原因によっては、いったん黄体ホルモン療法やGnRHアンタゴニストなどのホルモン療法を先行させ、子宮の状態を落ち着かせてからミレーナに移行する場合もあります。過多月経の方は、受診時に症状をしっかり伝えたうえで、挿入のタイミングや治療の方針を担当医と相談しながら進めることをおすすめします。
Q5. 性交渉の経験がないのですが、入れられますか?
A5:対応している医療機関では挿入可能ですが、十分な配慮と技術が必要です。
性交渉の経験がない方へのミレーナ挿入に対応している医療機関もあります。「毎日の内服が難しい」「薬をもらうための頻繁な通院が困難」など、さまざまな理由でミレーナを希望される方もいらっしゃいます。
挿入時は腟鏡(腟に入れる器具)を使用するため痛みを伴いますが、できるだけ小さい器具を使用したり、麻酔ゼリーや局所麻酔注射などを組み合わせたりすることで、対応している医療機関もあります。ただし対応の可否や方法は医療機関によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
また挿入後の定期チェックは通常、経腟超音波(腟からの超音波検査)で行いますが、性交渉の経験がない方については経腹超音波(お腹の上からの超音波検査)で対応できる医療機関もあります。

挿入後のフォローについて
ミレーナ挿入後は、定期的な確認が必要になります。ミレーナが正しい位置に入っているか、ズレたり脱出したりしていないかをチェックすることで、トラブルが起きていないかを確認するためです。
ミレーナは、挿入後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月後、それ以降は半年ごとにチェックしていきます。
ミレーナ挿入中のトラブルの事例は以下のような感じです。
迷入:ミレーナが子宮を通り抜けて腹腔内に移動してしまう
穿孔:子宮壁に突き刺さってしまう
脱出:子宮口から外に出てしまう
定期的な超音波検査で子宮・卵巣の状態を確認しますので、挿入後も通院を続けられる通院先を選び、検診には必ず行くようにしましょう。
「自分も入れられるかな?」と思ったら、まずはかかりつけの産婦人科医にご相談ください。
医療機関によって対応できる範囲が異なる場合もあるため、受診前に必ず確認しておきましょう。
ミレーナの挿入が気になる方は、こちらで全貌を解説しています。ホルモン剤の内服など他の選択肢についても解説しているので良ければご覧ください。
















