
漢方と365日。×Crumii #07
頭痛におすすめの漢方薬3選
ズキズキ…その頭痛、気候のせいかも?
気温の急な変化や台風。天候の変化が激しいこの時期は、体調を崩しやすくなりがちです。特に気圧の上下は、自律神経の働きに影響を与え、頭痛の原因になることも。さらに、外の暑さで体に熱がこもったり、屋内の冷房のききすぎで体が冷えたりすることも、頭痛につながる要因となります。頭が重だるい、ズキズキするなどの不快感を覚えたときは、季節特有の環境変化が関係している可能性があります。
繰り返す頭痛に漢方薬は強い味方!
漢方薬は、頭痛のズキズキ、重いなどの痛みの種類や、その原因を探り、冷え、ストレス、水分バランスの乱れなど、その人自身の体質や状態(証)に合わせて、最適なものを、見つけることができます。一時的に痛みを抑えるだけでなく、頭痛が起こりにくい体質を目指すには漢方薬がおすすめです。

頭痛におすすめの漢方薬3選
1.呉茱萸湯(ごしゅゆとう):体が冷えやすく、胃腸も弱い傾向があるタイプ
2.五苓散(ごれいさん):体内の水分バランスが乱れがちで、むくみやすいタイプ
3.抑肝散(よくかんさん):ストレスを感じやすく、イライラしたり、緊張しがちなタイプ
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
冷えが原因の頭痛や吐き気に。温めると楽になるタイプにおすすめです。
こんな症状に : ズキズキと脈を打つような頭痛(特に片頭痛)、吐き気や嘔吐、手足の冷え、冷えると悪化する症状 など
含まれる生薬 : 呉茱萸、人参、大棗、生姜
特徴・効果 : 呉茱萸や生姜が体の内側からじんわりと温め、冷えによる頭痛や吐き気を和らげます。さらに人参や大棗が胃腸の調子を整えるため、吐き気がある時にも優しく作用します。独特の苦味と辛味があるため、苦手な方はお湯で薄めるなど工夫すると飲みやすくなります。顆粒剤やエキス剤が主流で、症状が出始めたときや、食前の服用がおすすめです。
五苓散(ごれいさん)
むくみや低気圧が原因の頭痛に。天気の変化や二日酔いの不調にもおすすめです。
こんな症状に : 頭が重い、ぎゅっと締め付けられる頭痛、めまい、むくみ、吐き気、下痢、のどが渇くのに尿量が少ない、天気が悪くなると調子が悪い(気象病)、乗り物酔いしやすい など
含まれる生薬 : 沢瀉、猪苓、茯苓、白朮(または蒼朮)、桂枝
特徴・効果 : 体内にたまった余分な水分を排出し、水分バランスを整えることで、むくみや頭痛、めまいなどの症状を和らげます。利尿作用があるため、トイレに行きやすい環境で服用するのがおすすめです。比較的クセが少なく飲みやすい味で、顆粒剤やエキス剤が中心です。食前または症状が出そうな時に早めに服用すると、より効果的です。
抑肝散(よくかんさん)
ストレスや緊張が原因の頭痛に。イライラや不眠など、心が落ち着かない時にもおすすめです。
こんな症状に : 側頭部(こめかみ)が張るような頭痛、イライラしやすい、怒りっぽい、不眠、歯ぎしり、筋肉がピクピクする(けいれん)、筋肉のこわばり など
含まれる生薬 : 釣藤鈎、柴胡、当帰、川芎、蒼朮(または白朮)、茯苓、甘草
特徴・効果 : 高ぶった神経を落ち着かせ、気の巡りを整えることで、ストレスによる頭痛や緊張を和らげます。イライラや眠りが浅い時など、気持ちが不安定な時にも向いています。柴胡や釣藤鈎のほのかな苦味がありますが、比較的クセが少なく飲みやすい味です。顆粒剤やエキス剤が主流で、食前や寝る前に服用するとより効果的です。
自分の体質と原因を知って、頭痛と向き合う方法を見つけよう
この季節は、気圧の乱れや急な暑さ、冷房による冷えなどが影響して、頭痛を感じやすくなります。東洋医学では、痛みのタイプや体の状態(証)に合わせて処方を選ぶことで、症状の根本に働きかけることができます。自分に合った漢方を取り入れることで、季節のつらい頭の痛みと上手に付き合うことができます。自己流で判断せず、漢方に詳しい専門家に相談しながら、自分の体にぴったり合う処方を見つけて、頭痛が起きにくい身体づくりを始めましょう。
※本記事は「漢方と365日。」の協力で作成されました。

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