
漢方と365日。×Crumii #04
梅雨冷えにおすすめの漢方薬3選
湿っぽい季節に感じる不快感…「梅雨冷え」かも?
梅雨時期になると、いつもより体が冷えると感じることはありませんか?それは「梅雨冷え」と呼ばれる状態かもしれません。気温の変動が激しく、湿気の多いこの季節は、体内の水分バランスが崩れやすくなります。発汗しても乾きにくく、その湿気が体にこもることで、冷えや重だるさ、むくみといった不調が現れることがあります。
漢方が「梅雨冷え」に合う理由とは
漢方は、体に蓄積された余計な水分や湿気(湿邪)を外へと導き、身体の内側から温もりを取り戻す手助けをしてくれます。一人ひとりの体調や体質(証)に合わせて選ぶので、表面的な症状だけでなく、根本的な原因にアプローチできるのが特長です。冷えや湿気とともに起きる他の体調不良にも幅広く対応できるのが魅力です。
梅雨冷えにおすすめの漢方薬3選
こんな人におすすめタイプ別に
1.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
どちらかというと体力があまりなく、貧血気味で冷えやすいタイプ。顔色があまり良くなかったり、疲れやすかったりすることも。特に血行が悪く、むくみやすいタイプにおすすめ。
2.真武湯(しんぶとう)
体力がかなり落ちていて、体の芯から冷え切っている タイプ。新陳代謝が低下し、強い倦怠感やめまい を感じることもあります。お腹が冷えて下痢しやすいタイプ
3.人参湯(にんじんとう)
胃腸の機能が低下していて、お腹を中心に冷えを感じやすい タイプ。食欲がなかったり、温かいものを好んだりするタイプ

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
女性に多い冷えやむくみ、貧血傾向のある「血虚」「水滞」タイプにおすすめです。
こんな症状に:手足の冷え、むくみ、肩こり、疲れやすい、頭重感、月経不順や月経痛など
含まれる生薬:当帰、川芎、芍薬、茯苓、蒼朮(または白朮)、沢瀉
特徴・効果:血行を促進して身体を温め、余分な水分を排出することで、冷えやむくみを改善します。当帰や芍薬の働きにより「血」を補い、女性の月経トラブルにも有効とされており、産婦人科の現場でもよく使用されています。ほんのりとした甘みとやさしい香りがあり、飲みやすい味わいです。朝晩の空腹時に、白湯でゆっくり服用するのが効果的です。
真武湯(しんぶとう)
強い冷えと体力低下がある「陽虚」「水滞」タイプにおすすめです。
こんな症状に:強い冷え、めまい、だるさ、むくみ、下痢、冷えによる腹痛 など
含まれる生薬:茯苓、芍薬、生姜、蒼朮(または白朮)、附子
特徴・効果:体を芯からしっかり温め、水分代謝を促進してむくみや下痢を改善します。附子と生姜の温熱作用が強く、冷えによる不調に特に効果的です。やや辛みのある温かい風味で、飲むと体がぽかぽかするような感覚があります。冷えを防ぐためにも、なるべく温かい白湯で、朝夕の空腹時にゆっくり飲むと良いでしょう。
人参湯(にんじんとう)
胃腸が冷えて弱りやすい「気虚」「寒証」タイプにおすすめです。
こんな症状に:胃腸の冷え、食欲不振、疲れやすい、手足の冷え、軟便・下痢、みぞおちの不快感など
含まれる生薬:人参、甘草、乾姜、蒼朮(または白朮)
特徴・効果:胃腸をあたためて働きを整え、「気(エネルギー)」を補うことで全身の活力を引き出します。冷たいものを摂るとお腹を壊しやすい方に特に適しています。甘草と人参のほのかな甘みと、乾姜のぴりっとした辛みがあり、胃にやさしい味わいです。朝晩の空腹時に、温かい白湯と一緒に服用することで、より高い効果が期待できます。
体質に合う漢方で、梅雨の冷えと湿気対策を
梅雨時期の冷えや不調は、体内の余分な湿気が原因かもしれません。漢方は体を温め、湿気を取り除くのを助けます。大切なのは、ご自身の体質(証)に合ったものを選ぶことです。
むやみに自己判断はせず、医師に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を見つけて、梅雨冷えに負けない体づくりを始めましょう。
※本記事は「漢方と365日。」の協力で作成されました。

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