
これだけは知っておきたい! 5分でわかる「子宮筋腫」
「生理が重いのは体質…」と我慢していませんか?
実はそれ、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ) のサインかも。子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍で、珍しくはない病気です。命に関わるものではありませんが、大きさやできる場所によっては、生理が重くなったり、不妊、流産リスクなど、生活や将来に大きく影響することがあります。
本記事では、婦人科で治療できる病気「子宮筋腫」について、最低限知っておきたい知識をサラッと5分で読めるようにわかりやすくまとめてみました。

子宮筋腫とは?
子宮筋腫は、子宮の筋肉の一部がこぶのように膨らんでできる良性の腫瘍のことです。女性ホルモンの影響で成長するため、閉経後には小さくなることもあります。
筋腫にはできる場所によって種類があり、出てくる症状もそれぞれに異なります。
粘膜下筋腫
子宮の内側にできる。少しの大きさでも出血が増えやすい。
筋層内筋腫
子宮の筋肉の中にできる。最も多く、サイズ次第で様々な症状を引き起こす。
漿膜下筋腫
子宮の外側に育つ。大きくなると膀胱や腸を圧迫し、頻尿や便秘の原因になる。

子宮筋腫の主なサインってどんな症状?
多くの女性はあまり普段から生理のことを人と話したり比べたりしないので、「どうも生理が重いなぁ」と思っていたら、子宮筋腫が隠れているケースもあります。過多月経や貧血、強い生理痛、便秘や頻尿など、よくある症状を知っておきましょう。心当たりがあるようなら、早めに婦人科へ。
1. 過多月経・貧血
経血の量が多い、血の塊が出る、生理が長引くなど。出血が続くと鉄欠乏性貧血になり、ふらつきや疲労感が強くなります。
2. 月経痛・下腹部痛
以前より生理痛が強くなった、鎮痛剤が効きにくい、生理以外でも痛むなどの痛みの症状。特に筋層内筋腫は子宮の収縮を妨げ、痛みの原因になります。
3. 頻尿・便秘・腰痛
大きな漿膜下筋腫は膀胱や腸を圧迫し、トイレが近くなったり便秘になったりします。腰やお腹の重だるさもサインです。
4. 不正出血・おりもの増加
生理以外に茶色っぽい出血やおりものがある場合、筋腫の位置が影響していることがあります。
5. 性交痛・しこり感
性行為のときの痛みや、お腹の張り・硬いしこりを感じるケースもあります。
6. 妊娠への影響
必ずしも不妊の原因となるわけではありませんが、粘膜下筋腫などは着床を妨げ、流産や早産のリスクを高めることがあります。

どの程度の症状があれば病院に行くべき?
次のような症状がある場合は、一度婦人科で相談しましょう。
・生理が7日以上続く、経血量が増えた
・夜用ナプキンでもすぐ漏れてしまう
・トイレが近い、便秘がつらい
・妊娠を希望しているのに授からない
・日常生活に支障が出るほど生理が重い
検査と診断について
婦人科の検査は「痛そう」「恥ずかしい」というイメージがあり敬遠されがちですが、子宮筋腫の診断は比較的シンプルです。内診や経腟エコー、場合によってはMRIで詳しい位置や大きさを調べ、似た症状を持つ病気、子宮腺筋症や子宮内膜症と区別します。
・内診:腟内や出血の様子を確認。
・経腟エコー:超音波検査で子宮の状態を詳しく見ます。多くの筋腫はこの検査でわかります。
・MRI:筋腫の位置や数をより正確に把握するために行われることもあります。
治療の選択肢
子宮筋腫と診断されても、必ず治療が必要というわけではありません。症状がなければ経過観察で定期チェックしていきましょう、となることもありますし、治療はお薬の内服から手術まで選択肢は幅広く、現在の年齢や将来の妊娠を希望するかどうかによっても適した治療法は変わります。
経過観察
小さく症状のない筋腫は、定期的なチェックで十分なこともあります。
薬物療法
・ホルモン療法:月経量を減らし、筋腫の成長を抑える。
・鎮痛剤や鉄剤:痛みや貧血を和らげ、生活の質を改善。
手術
・筋腫核出術:筋腫だけを取り除く。妊娠希望がある方に。
・子宮全摘術:子宮をすべて取る方法。再発はないが妊娠不可。
・UAE(子宮動脈塞栓術):血流を止めて筋腫を小さくする治療。
治療法は年齢やライフプランによって変わるため、医師と相談して選びましょう。
放置した場合にリスクはあるの?
症状が軽いとつい放置しがちですが、子宮筋腫は悪化すると生活の質や将来の妊娠にも影響してくる可能性があります。重度の貧血、不妊や流産のリスク、まれな悪性腫瘍などの可能性も。
・重度の貧血:日常生活に支障をきたすことも。
・妊娠・出産への影響:不妊、流産、早産のリスク。
・まれに悪性腫瘍:ごくまれに「子宮肉腫」が見つかるケースもあるため、急な変化があれば要注意です。
予防と早期発見のためには?
・年に1回の婦人科健診で超音波チェックをしておこう
・生理の状態をアプリやメモに記録して医師に伝える
・「夜用ナプキンが2時間でいっぱいになる」など、具体的な症状を伝えると診断がスムーズ
「昔から生理が重かったので体質だと思っていたら筋腫だった」「貧血で内科を受診したら婦人科をすすめられた」という女性もけっこういます。
治療を開始すると、「もっと早く始めればよかった」と話すくらい症状が楽になる方もいますので、心当たりがある場合はぜひ受診を。
まとめ
子宮筋腫は多くの女性に見られる病気ですが、症状や治療の必要性は人によって異なります。
・生理が重い、貧血がつらい、お腹の張りなど、「嫌なこと」を見逃さないこと
・定期的に婦人科検診を受けておきましょう
・将来の妊娠希望やライフスタイルに合わせて治療法を選ぶこと
「生理が重いのは当たり前でしょ?」と思わずに、気になる症状があれば早めに婦人科を受診しましょう。
本記事では基本的な症状や受診の目安を簡単にご紹介しましたが、実際には治療法の選択肢や妊娠への影響など、さらに詳しく知っておきたい情報がたくさんあります。
▶︎ 詳細な症状や治療法については、こちらの記事をご覧ください。