気になるキーワード 「つわり」 前編
前編|つわりはいつまで続く?症状・対策と、つらい時期を乗り切るヒント。
妊娠がわかった喜びもつかの間、気持ち悪い、食べられない、仕事も家事も全く手につかない…体も心もすり減らすつわり症状。ガイドラインによると、妊娠初期につわり(悪心、嘔吐)を経験する妊婦さんは半数以上。妊娠に伴う体調の変化として多くの方に起こり得ることですが、周りから理解されずに軽く見られてしまったり、職場の協力が得られなかったりといった妊婦さんの声をきくことも。
今回の記事では、妊娠初期に起こるつわりの時期の目安、タイプ別の特徴、少しでも楽にする工夫などについて解説します。
つわりの時期はいつからいつまで?ピークと終わる目安
つわりが始まる時期(妊娠4〜6週頃)
つわりは、妊娠検査薬で陽性が出た頃〜心拍確認前後に始まる方が多い印象です。
症状の出方はさまざまで、けろっとしている方から終日寝込むレベルで全く何もできなくなる人まで個人差もあります。例えば次のような症状がよく見られます。
・胃がムカムカする、吐き気がある
・においに敏感になる(炊飯、洗剤、香水、電車のにおいなど)
・口の中が不快、唾液が増える
・眠気が強い、だるい
・夕方〜夜にかけて悪化する
注意していただきたいのは、つわりが始まったから妊娠の経過も順調だとか、逆に症状がないから異常だとかいうものではないということ。つわりは体質や環境、ストレス、睡眠などにも影響され、個人差がとても大きい症状なのです。
つわりのピーク(妊娠8〜10週頃)
ピークは一般に妊娠初期の中頃と言われていますが、同じ人でも日によって波があります。ピーク時は、何を食べようとしても無理、食べても吐いてしまう、日によって食べられるものがコロコロ変わるなど、普通の人にとっては「???」というような症状が続きます。
この頃に大事なのは「きちんと栄養をとらなきゃ」と自分を追い詰めないことです。もちろんバランスよく栄養をとれているに越したことはありませんが、つわりのピーク期は「食べられるものだけでも食べて生き延びる」が正解。
何もできない、何も食べられない状態が続くと罪悪感から思い詰めてしまう方もいますが、ピークの数週間は、勤務先やパートナーの協力も得ながら、いつか終わると信じて、家事や仕事をセーブできる体制を整えておくことが大事です(会社に申請するための制度も使えます)。
つわりが終わる時期(妊娠12〜16週頃)
ガイドラインでは、つわりは妊娠12〜16週頃に症状が軽くなっていく人が多いですが、これを超えてあまりにも長引くようであれば、別の原因をさぐる必要もありますので、一度主治医に相談してみましょう。

つわりには症状も程度も個人差がある。寝込むほどひどい人から、何もなくケロッとしている人も。
あなたのタイプはどれ?つわりの主な種類と症状別の特徴
つわりは吐き気や嘔吐が代表的な症状で、一括りにされがちですが、実際には困りごとの種類がいろいろあります。一般的に言われている、いわゆる吐きつわり、食べづわりのような分類がありますが、これは医学用語ではありません。
それぞれの特徴をまとめるとこんな感じですが、妊娠初期は症状が多彩になるので、つわりを吐き気や嘔吐のイメージだけで片づけないようにしましょう。
吐きつわり
吐き気で食べられない・戻してしまう
吐き気が強く、食べても吐いてしまうタイプ。水分すら受け付けないと脱水になりやすいので、「飲めているか」「尿が出ているか」が重要な観察ポイントになります。脱水が疑われる場合や体重減少がある場合は輸液(点滴)が必要になるケースも。
食べづわり
空腹になると気持ち悪くなる
空腹になると吐き気が増すタイプ。こまめに少量を口に入れると楽になることが多い反面、食べやすい物が偏って自己嫌悪になりやすいのが落とし穴です。ピーク期は栄養バランスより、血糖を下げすぎない工夫を優先して大丈夫です。
においつわり
ご飯や洗剤、香水のにおいがダメになる
特定のにおいがダメになるタイプ。ごはんの炊けるにおい、料理や洗剤、生ゴミなどのにおい、柔軟剤など、その対象は多岐にわたります。人のにおいが嫌で通勤電車が苦痛になることもあります。においは回避が第一。妊婦さんがキッチンに立たなくて良いように調整したり、可能な範囲で通勤ルートを変更したりするなど、回避できるよう工夫しましょう。
よだれつわり・眠りつわり
自律神経の変化による特有の症状
唾液が増えて飲み込むのもつらい、常に眠い・だるい、といったタイプです。頭痛や吐き気といった誰にでもわかる病気の症状と違って、唾液が増える、きちんと寝ているのに我慢できない眠気が襲ってくるなど、想像がつきにくいものも。
【Q&A】つわりが全くない・急に消えた場合は?
つわりがない妊娠も珍しくありませんし、ある日ふっと軽くなることもあります。それだけで異常とは言えません。
ただし、強い腹痛や出血、発熱、激しい下痢、脱水などが同時にある場合には、異所性妊娠(子宮外妊娠)や流産など、つわり以外の要因が混ざっている可能性もあるので、迷わず相談してください。
まとめ|つわりの症状や程度は個人差が大きい、周囲も理解を
つわりは多くの妊婦さんが経験するものですが、軽い吐き気で済む人から入院する人まで、その時期や症状の重さには大きな個人差があります。特定のにおいがダメになるといった経験のない人には理解できない特有の症状も多く、周囲に具体的な協力を得るためにも、自分がどうしんどいのか、何を受け付けない状況になっているのかを周りに伝えることも大切です。
また、周囲の人も「そういう時期なのだ」ということを知り、理解する姿勢が大切です。
後編では、少しでも楽にするための食事や生活の工夫病院を受診すべき兆候(妊娠悪阻)、職場に協力を得るための公的な書類である、「母健連絡カード」について解説します。
<参考文献>
厚生労働省HP 働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について
















