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漢方と365日。×crumii #15

流行前に知っておきたい、風邪におすすめ漢方3選

 

冷えと乾燥が気になる季節は、早めのケアが鍵

今日、1月9日は「風邪の日」。冬の季節は冷えの影響で血の巡りが悪くなり、肌のカサつきやくすみ、全身の重だるさなどを感じやすくなります。加えて、空気の乾燥によって喉や鼻の粘膜がデリケートになり、ウイルスが入り込みやすい環境になりがちなのも特徴。肌と体をいたわりながら、風邪に負けにくいコンディションを整えるためにも、疲れたら無理せず休み、早めの手当てを心がけましょう。

冬の不調に、風邪予防の漢方ケア

東洋医学では、一人ひとりの体質やその時点のコンディション「証」をみながら、風邪につながりやすい冷えや巡りの乱れを調え、私たちの体に元々備わっている回復力が働きやすい状態へ導きます。弱りやすいところを補いつつ、出はじめのサインをやわらげて、こじらせたり長引いたりするのを防ぐ助けにもなります。

風邪のときにおすすめしたい漢方3選

1.麻黄湯(まおうとう):強い寒気があり、ほとんど汗が出ないうえに、関節や体の節々が痛むときに。
2.桂枝湯(けいしとう):うっすら汗は出ているものの、体がだるく、冷えに弱いタイプに向きます。

3.葛根湯(かっこんとう):風邪薬として有名な葛根湯。首・肩のこわばりを伴い、まだ発汗が見られない“ひきはじめ”の段階に。

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風邪をひいた時にも、症状によって漢方を使い分けるのがカギ

 

風邪のときにおすすめ漢方薬3選、処方の解説

麻黄湯(まおうとう)

強い寒気と節々の痛みが出る「実証(体力があり、がっちりした体質)」寄りの方の風邪のひき始めに向いています。まだ汗が出ていない段階の、インフルエンザ様の症状にも。

こんな症状に:強い寒気、発熱、関節の痛み、体のふるえ、汗がほとんど出ない など
含まれる生薬:麻黄、桂皮、杏仁、甘草
特徴・効果:冷えで固まった体をしっかり温め、発汗を促して外からの邪気を追い出すことで、風邪を早めに抜けさせます。麻黄の作用で“グッと効く”分、体力が落ちている人や胃腸が弱い人には負担になりやすいので注意が必要です。味は桂皮のスパイシーさに、甘草のほのかな甘みが加わり、やや刺激的に感じることも。飲むときは白湯で溶かし、温かいうちにゆっくり飲むのがおすすめです(飲んだ後は体を冷やさず、汗が出たらこまめに水分補給を)。

桂枝湯(けいしとう)

寒気はあるけれど汗が少し出ていて、体力や胃腸が弱り気味の方の、風邪の初期におすすめです。

こんな症状に:軽い発熱、寒気、じんわり汗、だるさ、胃腸が弱い など
含まれる生薬:桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草
特徴・効果:体の表面の巡りを整え、やさしく温めながら自然な回復力を後押しします。発汗をさせすぎずに整える方向に働くので、体力がないときの風邪のひき始めに合わせやすい処方です。味は大棗と甘草のやさしい甘みがベースで、桂皮と生姜がふわっと香る飲み口。白湯で溶かして温かく飲むと体がほぐれやすく、食後よりも空腹時のほうがなじみやすいことが多いです(胃が弱い人は様子を見て食間でもOK)。

葛根湯(かっこんとう)

風邪の引きはじめに飲む漢方として有名な葛根湯。特に漢方に詳しくなくても、葛根湯だけは何のお薬かわかる人もいるかもしれませんね。「寒さで首・肩がこわばる」「汗が出ない」タイプの風邪のひき始めに向く処方で、上記で紹介した2種類の漢方とは使い分けるのが大切。

こんな症状に:首・肩こり、悪寒、発熱、汗が出ない、鼻やのどの違和感 など
含まれる生薬:葛根、麻黄、桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草
特徴・効果:葛根が首・肩まわりのこわばりをゆるめ、麻黄と桂皮が体を温めて適度な発汗を促し、風邪の進行を抑えます。「あ、風邪ひくかも」というタイミングで早めに使うほど効果が出やすい処方です。味は葛根の粉っぽさに、桂皮の香りと甘草・大棗の甘みが重なり、やや甘辛い印象。白湯でしっかり溶かし、温かいうちに飲むのがコツです。飲んだ後は首元を冷やさず、汗ばむ程度を目安に体を温め、水分をとって休むと整いやすいです。


【H2】冷え・巡り・体力の差で考える冬の風邪対策。漢方の選び方のポイントは?
気温や湿度が一気に下がると、体が冷え込みやすくなり、のどや鼻の粘膜が乾燥して、風邪を引きやすくなります。学校や職場で感染症も流行し始めるので、マスクや手洗いなど基本的な対策はもちろんしていただいた上での、風邪に伴って起こりがちな「寒気」「めぐりのアンバランス」「体力の落ち込み」などを、証(体の状態の見立て)に沿って整えていくことが大切です。
たとえば、強い寒気に加えて関節の痛みが目立つ場合は麻黄湯が候補に。体力が落ちていて冷えに弱く、寒さに押されやすいタイプには桂枝湯が向きます。また、ひき始めで首や肩の張り・こわばりを感じるときには葛根湯が頼りになります。
その時々のコンディションや体質に合う処方を選べると、風邪の早い段階から回復につなげやすくなります。独断で決めずに、漢方に詳しい医師へ相談しながら相性のよいものを見つけ、冬でも風邪に負けにくい体づくりを目指していきましょう。


※本記事は「漢方と365日。」の協力で作成されました。

漢方と365日
【みんなとつくる漢方メディア 漢方と365日。】
難しいと思われがちな漢方をよりわかりやすく、そして自分事にしてほしいという願いからオープンした「漢方と365日。」
漢方体質診断「見つかる!わたしの不調スイッチ」で自分の体質を知ることができるほか、現時点での自分の体や心がどんな状態であるか確認でき、体質に合わせた生活習慣や運動などの養生法を手に入れられる。漢方の処方を受けられる医療機関の検索も可能。

この記事の監修医師

丸の内の森レディースクリニック

吉住奈緒子先生

大阪大学医学部医学科卒。 大阪府立急性期・総合医療センター、厚生労働省医系技官などを経て、現在は東京女子医科大学附属東洋医学研究所 助教。 専門は公衆衛生、東洋医学。毎週火曜日、丸の内の森レディースクリニックで漢方外来を担当。

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